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PICK UP (ラブリバウンド)

「この場で私に殺されるか、それとも自害するのか、今すぐどちらかを 選びなさい。両方嫌だと言うのなら、私は自分の舌を噛み切ります」 時は放課後。 場所は校内のシャワールーム。 能海響希に特殊警棒を眼前に突き立てられながら脅迫されているのが 今のぼくのすべてだ。

子にとって、親というものは非常に厄介な生き物の筆頭だ。 彼らは、まさに有機的な関門といえる。 子の望むことを否定し、歪曲し、消滅さえさせる力を無制限に そして理不尽に行使することができるのだから。 時として、法以上の拘束力さえ発揮して。 「…………っ」 シャワーヘッドから飛び出した人工的な雨に打たれ続ける。 涙は誰の目にも見せない。それが最後の意地だった。

「……あむ」 耳を食まれる。一瞬何が起きているのか分からなかったが 舌が耳介を撫ぜる感覚は嫌でも分かる。 ねっとりとした粘性のある水音が、煽るように鼓膜を震わせる。 品性の欠片もなく、すべてが喩えようもないほど––ひたすら淫らに。 「れろれろ」 脳が直接ねぶられているような錯覚に襲われる。 未知の感覚に怖気が奔った。

「はぁ……はぁ……、はぁ……ふぅ……」 どれくらい経ったのか。しばらくして、荒い息遣いが聞こえてきた。 誰の息遣いって、そりゃ自分の、だ。この部屋には他に誰もいないのだから。 「はぁ……はぁ……、あ、あれ?」 …………??? あれ、何してるんだろ、私。
'ENCOUNTER'
'LOSE HEART'
'NIGHT SKY
FULL OF STARS'
'TIP OFF'
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